印鑑の素材「本柘(純柘)」と「上柘」の違いとは?

印鑑の素材「本柘(純柘)」と「上柘」の違いとは?

印鑑を選ぶとき、意外と多くの人が迷うのが「素材」です。特に「本柘(ほんつげ)/純柘(じゅんつげ)」と「上柘(じょうつげ)」という木材系の素材については、名前も似ていて違いがわかりづらいと感じる方も多いのではないでしょうか。

どちらも木製の印鑑素材として一般的に使われていますが、実際には「品質」「耐久性」「価格」などに明確な違いがあります。本記事では、それぞれの特徴を比較しながら、どんな人にどちらの素材が向いているのかをわかりやすく解説します。

印鑑の素材としての本柘(純柘)と上柘

印鑑を購入する際に、「本柘(ほんつげ)/純柘(じゅんつげ)」や「上柘(じょうつげ)」という素材名を見かけたことがある人も多いでしょう。どちらも木製の印材として人気がありますが、実はこの二つ、名前は似ていても中身はまったくの別物です。

上柘は東南アジア産のアカネ材本柘は日本国産の本物の柘植(ツゲ)材を使用しており、品質や耐久性に大きな違いがあります。安価で手軽な上柘高品質で長持ちする本柘——どちらを選ぶかは、印鑑の用途によって変わってきます。

まず最初に押さえておきたいのは、「上柘」も「本柘」も、実際には「柘(つげ)」と呼ばれる木を使っているわけではないという点です。
「上柘」は柘植の代用品「本柘」は本物の柘植と考えて問題ありません。

本柘(純柘)の特徴と魅力

本来の「柘植(つげ)」の木。日本国内(主に鹿児島や宮崎など)で育てられる国産素材です。木目が細かく硬質で、印鑑として非常に優れた素材です。
また、本柘は色合いや木目が美しく、見た目にもこだわりたい方にぴったりです。経年変化を楽しむことができるため、愛着が湧く印鑑としても人気があります。日常の使用だけでなく、特別な場面でもふさわしい素材です。

● 本柘(純柘)の耐久性と彫刻性の違い

・木目が非常に緻密で硬い
・摩耗に強く、印影が長持ちしやすい
・細かい彫刻に向いており、職人による手彫りに最適
・手に馴染む質感で、長年使っても風合いが良い

銀行印や実印など、長期間使う印鑑に最適

上柘の特徴と魅力

上柘とは、印鑑に用いられる素材の一つで、主に東南アジア(タイ、ラオス、ベトナムなど)から輸入される「アカネ」という木を、「柘」として扱っているものです。この素材は軽量で安価なものが多いため扱いやすい点が特徴です。ただ、耐久性に劣るデメリットがあります。

● 上柘の耐久性と彫刻性の違い

・本柘より柔らかく、やや荒い木目
・押印の回数が多いと徐々に摩耗しやすい
・コストパフォーマンスは良いが、耐久性は劣る
・機械彫りが主流で、精密さには限界がある

認印やサブの印鑑、短期利用に向いている

メリット・デメリットまとめ

素材 メリット デメリット
本 柘 ・耐久性が高い
・精密な彫刻が可能
・風合いが良い
・価格が高め
・湿気に弱く、手入れが必要
上 柘 ・価格が安い
・手軽に入手できる
・摩耗しやすい
・木目が粗く印影が劣化しやすい

どちらを選ぶべきか?

● 本柘(純柘)を選ぶべき人

・一生使う実印や銀行印を作りたい
・細かい印影にこだわりたい
・長く使う前提で、質に投資したい

● 上柘を選ぶべき人

・とにかく安く印鑑を作りたい
・認印やサブ印として必要
・使用頻度が低く、耐久性をそれほど気にしない

印鑑は用途によって必要とされる性能が異なります。たとえば就職や転職、住宅購入時に必要な「実印」は、信用の象徴であり長期使用が前提となるため、本柘を選んでおくのが安心です。
一方で、職場で書類に押す認印などは使用頻度が高く消耗品に近いため、上柘でも十分実用的です。

メンテナンス方法

印鑑を長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
まず、使用後は柔らかい布で優しく拭き取ることで、汚れや印泥を取り除くことが大切です。特に銀行印や実印の場合、日常的な使用後にも手入れをすることで、劣化を防ぎます。

次に、印鑑を保管する際には、湿気や直射日光を避ける環境を整えることが重要です。専用のケースやポーチに収納することで、傷や汚れから守ることができます。また、定期的に点検を行い、状態を確認することで、問題があれば早めに対処できるでしょう。

このように、メンテナンスを丁寧に行うことで、印鑑の品質と耐久性を保つことができます。大切な印鑑を長く使うための基本的なポイントを押さえておきましょう。

注意点

印鑑を選ぶ際にはいくつかの注意点があります。まず、用途に合わせた素材を選ぶことが大切です。上柘は軽量で日常的な使用に向いていますが、重要な書類には本柘を選ぶべきです。
次に、サイズにも注意が必要です。印鑑の大きさは、用途や手書きのスタイルに応じて選びましょう。大きすぎると押しづらく、小さすぎると威厳が感じられません。

また、本柘・上柘に限らず、木製の印鑑には共通する注意点があります。

・捺印後は拭き取る:朱肉を拭き取らなければ、朱肉を吸い込んで印材が膨張することがあり、印影が変化する可能性があります。
・水に弱い:濡れたままにすると膨張・変形・ヒビ割れの原因になります。
・保管は乾燥した場所で:密閉容器や高湿度の場所は避けましょう。
・定期的に印面をチェック:摩耗や欠けがあれば、早めに交換を検討。

印鑑は「使えるから問題ない」ではなく、「信用を形にする道具」であるという意識が大切です。

よくある質問(FAQ)

Q. 上柘は見た目で本柘と見分けられますか?
A. 外見だけで見分けるのは難しいですが、手に取ると本柘の方がずっしりと硬質感があります。

Q. 手彫り印鑑なら上柘でもいいですか?
A. 彫刻精度を求めるなら本柘の方が彫りやすく、印影の再現性も高くなります。

Q. チタンや黒水牛と比べてどうですか?
A. 木製は軽くて自然な風合いが魅力。チタンは高耐久、黒水牛は重厚感があり、好みや用途で選びましょう。

まとめ

上柘と本柘は、印鑑選びにおいて非常に重要な要素です。どちらも特徴がありますが、用途に応じて選ぶことが成功の鍵となります。
上柘は日常使いに向いており、扱いやすさが特徴です。このため、認印などで気軽に使用する方に最適です。
一方、本柘は耐久性があり、重要な書類に使う実印や契約印としておすすめです。長持ちする性質があるため、一度購入すれば長年に渡って活躍します。

・上柘=「安価で実用的、ただし耐久性は劣る」

・本柘=「高品質で長持ち、実印や銀行印に最適」

大切なのは、「その印鑑をどれだけ長く、どんな場面で使うか」を見極めることです。もし将来的に何度も重要書類に押すような用途が想定されるなら、本柘にしておくほうが後悔は少ないでしょう。

逆に、日常使いで頻繁に買い替えるような認印なら、上柘で十分なケースがほとんどです。あなたの目的と予算に合わせて、最適な素材を選んでください。

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