捨印とは何か?基礎から活用方法まで解説します!

捨印とは何か?基礎から活用方法まで解説します!

契約書や役所に提出する書類を扱う中で、「捨印(すていん)」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
普段の生活ではあまり使う機会がないものの、不動産契約や銀行手続き、保険関係の書類など、正式な書類に関わる場面で登場する大切な印鑑のルールのひとつです。
本記事では、捨印の意味や役割、押す際の注意点、トラブル防止のための心得を詳しく解説していきます。

捨印とは何か?

捨印とは、

契約書や重要な書類の訂正をする際に、訂正印の代わりとしてあらかじめ押しておく印鑑

のことです。


書類作成時に誤字脱字や記入漏れがあった場合、本来であれば契約者や署名者が訂正箇所ごとに二重線を引き、訂正印を押す必要があります。
しかし、契約当事者が遠方にいる場合や、署名後に軽微な修正が必要となる場合、いちいち呼び出すのは手間と時間がかかります。
そこで、あらかじめ余白に押された捨印を利用し、後日担当者が修正を行うことができる仕組みになっています。
つまり「もしもミスが見つかったときに備えて、事前に押しておく修正用の印鑑」が捨印なのです。

捨印の役割と効力

捨印の最大の役割は、書類の修正をスムーズに行えるようにすることです。
具体的には以下のような効力があります。

1.軽微な修正を可能にする
誤字脱字や住所の丁目表記、漢字の旧字体・新字体の修正など、内容に大きな影響を及ぼさない訂正を、捨印によって正式な修正として扱うことができます。

2.契約や手続きの効率化
契約当日に些細な誤りが見つかっても、いちいち本人に訂正印を押させる必要がなく、その場でスムーズに修正できるため、時間の節約になります。

3.法的効力
捨印は訂正印と同等の効力を持ちます。つまり、捨印を押すことによって、修正箇所に関して署名者が同意したものと見なされるのです。

捨印を押す場面

捨印は主に以下のような場面で用いられます。

・不動産契約書
賃貸契約や売買契約において、住所や氏名の記載ミスを訂正する場合。

・銀行や金融機関の書類
口座開設書類や融資契約書で、数字や住所の表記を訂正する必要が出た場合。

・役所関係の申請書類
戸籍や住民票に関連する届出書など、修正の可能性がある書類。

・保険契約
契約者の情報修正や加入条件に関する細かい誤記に対応する場合。

このように、契約や公的手続きにおいて幅広く活用されています。

捨印を押すときの注意点

捨印は便利な仕組みですが、押し方や取り扱いを誤るとトラブルの原因になります。
以下の点に注意が必要です。

1. 押す場所

捨印は、書類の余白や訂正の可能性がある欄の近くに押すのが一般的です。
本文に重ねて押すのではなく、後から修正が行えるように余白に用意しておきます。

2. 押す回数

書類によっては複数箇所に修正が入ることを想定して、数回分の捨印を押す場合があります。
ただし、むやみにたくさん押すのは好ましくありません。
必要最小限にとどめるのが安全です。

3. 不正利用のリスク

捨印は非常に便利である一方で、悪用される可能性があります。
契約内容そのものを書き換えられてしまうと、本人の意思に反して不利な条件で契約が成立してしまう危険性があります。
そのため、信頼できる相手との契約に限り使用すべきです。

4. 訂正範囲の限定

捨印を押した場合でも、常識的には「誤字脱字や住所表記の修正」といった軽微な範囲でしか訂正は認められません。
契約金額や契約期間など、契約の根幹に関わる部分を勝手に書き換えることは法的にも不正とされます。

捨印を避けたいときの対策

「捨印を押したくない」「不正利用が怖い」と感じる方もいるでしょう。
その場合は以下の方法で対応できます。

・訂正印で都度対応する
面倒ではありますが、修正があった場合に必ず本人が訂正印を押すようにすれば、不正利用のリスクはゼロになります。

・契約書に注意書きを入れる
例えば「捨印は住所や氏名の誤記訂正に限る」などと、利用範囲を限定する文言を追加しておくことで、トラブルを防ぐことができます。

・電子契約を利用する
近年では電子契約サービスの普及により、紙の書類に捨印を押す機会自体が減ってきています。
電子署名では訂正も記録として残るため、安全性が高いと言えるでしょう。

捨印と似た仕組み

捨印に似たものとして「契印」「割印」があります。

・契印
契約書が複数ページにわたる場合に、ページのつながりを証明するために押す印鑑。

・割印
契約書の正本と副本をまたいで押す印鑑。両者が同じ内容であることを証明します。

これらも契約書類の信頼性を担保するために用いられますが、捨印とは目的が異なります。

まとめ

捨印は、契約書や公的書類の誤記をスムーズに訂正できるようにするための便利な仕組みです。

・軽微な修正を可能にする
・手続きを効率化する
・訂正印と同じ法的効力を持つ

といったメリットがある一方で、

・不正利用のリスクがある
・契約の根幹部分には使えない

といった注意点も存在します。

契約に臨む際には、捨印を押す意味をしっかり理解し、信頼できる相手とのやり取りに限定して利用することが大切です。
電子契約の普及により、今後は捨印の利用シーンが減っていく可能性もありますが、紙の契約が主流である限り、知っておくべき知識のひとつと言えるでしょう。

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