印鑑の書体、読みにくいと困る?失敗しない選び方と注意点

印鑑を作るとき、意外と迷うのが「書体(フォント)」の選び方。見た目がかっこいい、風格がある、という理由で選ぶ人も多いですが、「読みにくい書体」を選ぶと、後々トラブルになることがあります。
この記事では、読みにくい印鑑の書体の種類と注意点、失敗しない書体の選び方について解説します。
印鑑の書体とは?
印鑑に使われる書体(フォント)は、単なるデザインではなく、使う目的や場面によって適した種類が異なります。ここでは、よく使われる5つの代表的な書体について、特徴や向いている用途を紹介します。
■ 印相体(いんそうたい)/吉相体(きっそうたい)
印相体は、姓名判断や風水に基づいて設計された、開運系の書体です。太くて力強い線で構成され、名前の画数やバランスにこだわって作られるため、縁起が良い印鑑として人気があります。
その反面、文字が複雑にからみあっていてほとんど判読不可能なレベルに読みにくいことも。偽造防止やセキュリティの面ではおすすめですが、実用性より運気やデザインを重視した書体といえるでしょう。
■ 篆書体(てんしょたい)
篆書体は、最も古い歴史を持つ書体で、中国の古代文字「篆書」に由来しています。漢字の原型ともいえる形で、重厚感と威厳があり、実印などフォーマルな印鑑に使われることが多いです。
ただし、現代の漢字とは見た目がかなり異なるため、読みにくいというのが特徴です。自分の名前であっても一目で読めないことも少なくありません。
■ 古印体(こいんたい)
古印体は、篆書体を日本でアレンジして生まれた書体で、丸みを帯びた優しい印象が特徴です。筆書き風のやわらかさがあり、親しみやすい印影になります。
篆書体よりは読みやすいものの、画数が多い名前やバランスによってはやや読みにくく感じることも。実印には少し向かないですが、認印には適したデザインです。
■ 楷書体(かいしょたい)
楷書体は、学校や日常で見慣れている基本の漢字の形です。線がはっきりしていて、可読性が非常に高く、誰が見ても「読める」と感じる安心感があります。
公的書類や契約書など、正確さが求められる場面での使用に最適。偽造にはやや弱い面もありますが、使いやすさを最優先したい人にはもっともおすすめです。
■ 行書体(ぎょうしょたい)
行書体は、楷書体よりもややくずしが入った流れるような筆記体風の書体です。文字に動きがあり、見た目が美しく品のある印象を与えます。
適度なくずし方なので、読みやすさも維持されています。個性を出したいけど、実用性も重視したいという方に向いています。
■ 隷書体(れいしょたい)
隷書体は、中国の漢代に発展した古典的な書体で、楷書体の前身とも言われています。特徴的なのは、横長でゆったりとしたフォルムと、筆を横に引いたような平らな線。
見た目はやや古風ですが、楷書体よりもやや崩しがあり、行書体ほどではない絶妙なバランス。落ち着きがあり、読みやすさとデザイン性を両立したい人に向いています。
読みにくい印鑑の書体はどれ?
■ 篆書体:格調高いけど、読めない
篆書体は公的な実印にもよく使われますが、「何て書いてあるかわからない」と感じる人がほとんどです。
「読めない=偽造されにくい」というメリットはありますが、本人確認の場面で時間がかかる、自分でも読めないというデメリットがあります。
■ 印相体:人気だけどトラブルの元に?
「運気が上がる」「仕事運に良い」と言われる印相体は、デザイン重視のため、文字が完全に崩されているものもあります。
銀行や役所で「本人確認が難しい」と言われるケースもあり、印影の確認に時間がかかったり、再提出を求められることも。
ただ、複雑な書体なため、偽造防止やセキュリティの面ではおすすめです。
なぜ読みにくい書体を選ぶ人が多いのか?
「読みにくいのに、なぜ人気なの?」と疑問に思うかもしれませんが、理由はいくつかあります。
■偽造防止になる
複雑な書体はコピーや悪用が難しく、安全性が高い。
■見た目がかっこいい/格式高く見える
特に実印や銀行印では「しっかりして見える印鑑」が好まれる。
■風水的な理由(特に印相体)
自分の運勢や成功を願って、あえて読みにくい書体を選ぶ人も多い。
ただし、おしゃれや運気だけで選ぶと、実用面で困ることがあるため、バランスが大切です。
読みにくい書体のデメリットは?
■ 本人確認に時間がかかる
役所、銀行、不動産契約などで印影をチェックする場面では、「この文字、本当に合ってるの?」と確認に時間がかかります。場合によっては押し直しになることも。
■ 電子印鑑との相性が悪い
電子契約が増えてきた今、印影をデータ化する場面も増えています。複雑で読めない書体は、スキャンやデータ認識で誤読されやすいという問題も。
■ 自分でも読めない
「自分の名前が自分で読めない」というのは本末転倒です。いざというときに不安になる原因にもなります。
読みやすさを重視したおすすめの書体
◎ 楷書体:迷ったらこれ一択
シンプルで読みやすく、クセがない書体。役所や銀行でも問題にならず、**「とにかく無難に実用的な印鑑を作りたい」**という人におすすめ。
◎ 行書体:美しさと実用性のバランスが良い
ややくずしがあり、見た目が柔らかく上品。それでいて読みやすさも確保されており、女性やビジネス用途に人気。
まとめ
印鑑は一度作ったら長く使うもの。特に実印や銀行印は、人生の重要なタイミングで必要になります。
・読みにくい書体は偽造防止の面ではおすすめだが、トラブルの原因になることもある
・認印等で実用性を重視するなら「楷書体」か「行書体」が無難
・風水やデザインも大事だが、用途に合った選び方をすることが最優先
「かっこいい」だけで選んでしまうと、いざというときに困るかもしれません。印鑑の書体は、「読めるかどうか」も含めて慎重に選びましょう。
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