個人事業主の開業に必要な印鑑とは?.

個人事業主の開業に必要な印鑑とは?.

個人事業主として開業する際、避けて通れないのが「印鑑の準備」です。印鑑は契約書や請求書に捺印する際に必要不可欠なものであり、信頼性や正式なビジネスの象徴とも言えます。法人ほど煩雑ではありませんが、印鑑は各種手続きや取引において欠かせないアイテムです。
この記事では、個人事業主が開業時に用意すべき印鑑の種類やその用途、作成のポイントについて解説します。

なぜ印鑑が必要なのか?

日本では「印鑑=本人の意思表示」として法的に認められており、ビジネスシーンでは契約書類や請求書、見積書など、あらゆる文書に押印が求められることがあります。個人事業主も例外ではなく、信用力のある事業運営のために印鑑は必要不可欠です。

また、最初に結論を伝えると、開業届に押す印鑑は「認印」でOKです。シャチハタは不可ですが、一般的な印鑑で問題ありません。
ただし事業を始めて実際に動かし始めると、認印だけでは足りなくなります。銀行口座を開き、契約を結び、請求書を出し、仕入れの手続きもする。こうした場面では、それぞれに合った印鑑が必要になります。

個人事業主として最低限揃えておきたい印鑑は次の三つです。

・事業用の実印
・銀行印
・角印

この三本があると、開業後の手続きがスムーズに進みます。一本ずつ見ていきましょう。

個人事業主に必要な印鑑の種類

個人事業主が持つべき印鑑の種類は、ビジネスの運営において非常に重要な役割を果たします。ここでは、個人事業主が特に持っておくべきそれぞれの印鑑の種類について解説いたします。

1. 実印

実印は、個人事業主にとって非常に重要な印鑑の一つです。これは、契約書や重要な書類に捺印することによって、その書類が正式なものであることを証明する役割を果たします。実印は、信用を高めるためにも欠かせない存在ですので、その重要性をしっかりと理解しておくことが大切です。

個人事業主としての印鑑登録は不要です。個人事業の場合は法人登記をする必要がないため、実印登録がされた印鑑は必要がありません。
ただ、契約書など正式な場面では、事業用として登録する「実印」を一つ持っておくと安心です。

● 事業用実印が活躍する場面

・不動産契約
・高額な契約書の締結
・事業用資金の借り入れ
・補助金・助成金の申請書類

印鑑登録は個人として行うため、プライベートと兼用することもできますが、事業と生活の線引きをするためにも一本分けておく方が管理しやすくなります。

● 選ぶ時のポイント

・偽造されにくい書体(篆書体や印相体など)
・耐久性の高い材質(柘、黒水牛、チタンなど)
・他人の印影と似ないデザイン

長く使う印鑑なので、手彫りや手仕上げなど質の高いものを選ぶ人も増えています。信頼を得るための印鑑という位置づけを意識すると選びやすくなります。

2. 銀行印

事業用の銀行口座を作るなら、銀行印は必須です。
銀行印は金融機関に届け出る印鑑で、口座開設から振込、融資の手続きまで幅広く使います。

プライベートと事業を分けておく方が帳簿管理も楽になるので、口座は分けることを強くおすすめします。そのためにも銀行印は一本用意しておきましょう。

● 銀行印に向く特徴

・読みやすく、はっきり押せる書体
・丸印が一般的
・実印とは別のデザインにする

銀行印を実印と兼用する人もいますが、紛失した場合のリスクが増えるためあまりおすすめできません。銀行印はあくまで「お金を扱うための専用印」として管理した方が安全です。

3. 角印(社判)

角印は四角い印鑑で、企業の「社印」にあたるものです。
個人事業主にも角印を使うメリットは大きく、特に書類の信頼性が高まります。

● 角印が活躍する場面

・見積書
・請求書
・領収書
・契約書の割印
・納品書

相手に渡す書類に角印が押されていると、それだけで「この人はきちんとしている」という印象を与えられます。書類に重みが出るので、取引先との信用作りにも役立ちます
角印は実印ほど強い法的効力はありませんが、ビジネスの現場では必須級です。開業と同時に揃えておくと役立ちます。

角印については下記の記事をご参照ください。

ゴム印(住所判)は「日々の事務作業のスピードを決定づける印鑑」

そして見落とせないのがゴム印(住所判)です。

開業後、個人事業主が最も多く作る書類は請求書や領収書。そこには必ず、あなたの事業名、住所、電話番号などの情報が必要になります。
これを毎回手書きするのは、はっきり言って大変です。作業時間もかかり、書類の見た目もぶれます。ゴム印が一本あるだけで、この問題がすべて解決します。

● ゴム印が必要な場面

・請求書の発行
・領収書の発行
・見積書の作成
・契約書の事業者情報欄
・郵送物の差出人欄

事業を始めてみると、この住所判の便利さを強く実感します。印鑑三本で書類の正式さを整え、ゴム印で実務のスピードを上げる。この組み合わせが個人事業主にとって最も合理的です。

● ゴム印の種類

■組み合わせ式(住所・屋号を分けて管理できる)
■一体型(サッと押せて使いやすい)
■黒字タイプ、赤枠タイプなどデザインも多様

書類のデザインや使いやすさに合わせて選べます。

ゴム印(住所判)については下記の記事をご参照ください。

開業セットとして三本を揃える人が増えている理由

最近では、実印・銀行印・角印+ゴム印をまとめた「開業印鑑セット」が人気です。
理由はシンプルで、以下の三つが揃うと開業後に困らないからです。

●契約に使う印鑑(実印)
●お金の管理に使う印鑑(銀行印)
●書類の信用をつける印鑑(角印)
事務作業を効率化する ゴム印(住所判)

開業直後はいろいろな手続きが集中するので、どの書類にどの印鑑を押すべきか迷うことがあります。この三本が揃っていると「用途ごとに使い分ける」習慣ができ、管理がとても楽になります。
特に個人事業主は自分一人で全てを回すので、印鑑周りは最初にきちんと整えておいた方が後々スムーズです。

弊社でも印鑑の開業3本セット+ゴム印のご用意がありますので下記ページをご参照ください。

印鑑の選び方

印鑑を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを抑えておくことが大切です。これにより、自分に最適な印鑑を見つけることができ、ビジネスシーンでの信頼性を向上させることができます。
下記のポイントを考慮しながら、自分にぴったりの印鑑を選ぶことで、個人事業主としての自信を高め、円滑なビジネスを推進する基盤を築くことができます。

材質で選ぶ

印鑑を選ぶ際には、材質も非常に重要な要素となります。材質によって印鑑の耐久性や感触、印影の仕上がり具合が大きく異なるため、慎重に選ぶことが必要です。ここでは、主な印鑑の材質についてご紹介いたします。

まず、最も一般的な材質として挙げられるのは「木製」または「牛角」です。
木製の印材は、木の温かみが感じられ、多くの人に愛されています。東南アジア産のあかね(上柘)から、国産の純柘(本柘)、御蔵柘など高級木材を使用した印鑑は、見た目にも高級感があり、ビジネスシーンでも好印象を与えることができます。ただし、木製の印鑑は水や湿気に弱いため、取り扱いには注意が必要です。
牛角製の印材は、黒水牛やオランダ水牛といった質の高い水牛の角を材料にした印材で、耐久性に優れていて見た目の高級感もあいまって人気な印材です。角製の印材は乾燥に弱いため、直射日光に当たらないようケースに入れて保管しておくのがベストです。また、長期間使い続けると摩耗や劣化が進むこともありますので、適切なメンテナンスが重要です。

また、チタンの印鑑も近年人気が出ている印材です。木や角製の印材に比べて強度や耐久性が強く、長い間使用できるのが特徴です。チタン印鑑はスタイリッシュで高級感もあり、ビジネスシーンでもしっかりとした印象を与えます。少しコストがかかるのと、

このように、様々な材質の印鑑があり、それぞれに特性があります。自分の予算や使用頻度、用途を考慮しながら、最適な材質の印鑑を選ぶことで、ビジネスシーンでの信頼性や印象を高めることができるでしょう。

印鑑の素材について詳しくは下記の記事をご参照ください。

サイズで選ぶ

印鑑を選ぶ際に重要な要素の一つがサイズです。印鑑のサイズは、その使用目的や個人の好みに応じてさまざまに異なりますので、自分に合ったサイズを選ぶことが肝要です。

一般的に、個人事業主が使用する印鑑のサイズには、直径8mmから18mmまでの幅があります。実印や銀行印、認印のサイズはそれぞれ異なるため、適切なサイズを見極める必要があります。実印は契約書や重要な書類に捺印されるため、比較的大きめのサイズが推奨されます。具体的には、15mm~18mmが一般的です。このサイズは、しっかりとした印影が残ることが期待できるため、信頼度も高まります。

一方、銀行印は、金融機関での取引に使われます。ただ、社名での印鑑は、15~18mmで実印と同じくらいの大きさ作成することが多いです。持ち運びやすさと印影のはっきりさを両立させる必要があります。特に、振込や口座の开設などの重要な手続きでは、銀行印の印影が明確であることが求められます。

また、角印に関しては、日常的な業務において使われる印鑑ですので、サイズは、21~24mm角程度が一般的です。日常的な使用を考慮して選ぶことがポイントです。

印鑑のサイズ選びには、見た目の美しさや実用性だけでなく、自分の手の大きさや捺印時の感覚も考慮に入れると良いでしょう。自身が使いやすいと感じるサイズを選ぶことで、スムーズに業務を進めることができ、個人事業主としての信頼感も高まります。サイズ選びは、印鑑購入の際の重要な判断基準となりますので、しっかりと検討して選ぶことが大切です。

印鑑の用途別のサイズについて詳しくは下記の記事をご参照ください。

書体で選ぶ

印鑑を選ぶ際には、書体も重要な要素の一つです。印鑑の書体は、その印象や信頼性に大きく影響を与えるため、自分の事業や目的に合った書体を選ぶことが大切です。様々な書体が存在していますが、会社の印鑑として一般的には「篆書体(テン書体)」「印相体」「古印体」の3種類が主流です。ゴム印では読みやすい「楷書体」や「明朝体」「ゴシック体」が好まれます。

印鑑の書体を選ぶ際には、ビジネスの内容や目的、取引先のイメージを考慮し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。

実印と銀行印については複雑で読みにくい印相体や篆書体が人気です。特に印相体は複雑で読みにくい難点はありますが、偽造防止の面でもおすすめです。
角印については印相体や篆書体も人気ですが、比較的読みやすい古印体での作成も多くあります。
ゴム印(住所判)では、ぱっと見で読みやすい書体が好まれることが多いです。楷書体、明朝体、ゴシック体と筆で書いたように流れるような書体の行書体で作成されることも多くあります。ただ、行書体は文字によっては崩し方が独特で読みづらくなってしまう場合があるので注意が必要です。

書体によって印象が大きく変わりますので、慎重に選ぶよう心がけましょう。自分の印象や理念が適切に伝わるような書体を使うことで、ビジネスシーンでの信頼性を向上させることができます。

印鑑の書体については下記の記事をご参照ください。

まとめ

個人事業主として信頼されるビジネスを営むためには、印鑑の準備は不可欠です。実印・銀行印・角印という基本の三点セットと住所判というゴム印を整え、適切に使い分けることで、業務の効率化と信用力の向上につながります。
印鑑は単なる道具ではなく、あなたの事業の「顔」とも言える存在。開業を機に、しっかりとした一本を用意しましょう。

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