印鑑に使われる旧字とは?知っておきたい基礎知識と注意点
印鑑を作るとき、「この字は旧字になりますが、どうしますか?」と聞かれて戸惑った経験はありませんか。
普段は意識しない漢字の字体ですが、印鑑の世界では旧字が今も重要な意味を持っています。
この記事では、印鑑と旧字の関係、旧字を使う理由、注意点までをわかりやすく解説します。
旧字とは何か
旧字とは、戦後の漢字改革以前に使われていた字体のことです。1946年に当用漢字表が制定され、多くの漢字が簡略化されました。これが現在使われている新字(新字体)です。
たとえば、
-
「澤」→「沢」
-
「﨑」→「崎」
-
「邊」→「辺」
といった具合に、画数が多い字が簡略化されています。普段の生活では新字が当たり前ですが、印鑑では今も旧字が使われることがあります。
なぜ印鑑に旧字が使われるのか
印鑑に旧字が使われる理由は、主に三つあります。
一つ目は、戸籍上の表記に合わせるためです。戸籍には旧字で名前が登録されているケースが多く、実印は戸籍の表記と一致している必要があります。そのため、実印では旧字を使うのが一般的です。
二つ目は、偽造防止です。旧字は画数が多く、形も複雑です。簡単に真似しづらいため、防犯性が高いとされています。特に重要な契約に使う実印では、この点が重視されます。
三つ目は、伝統と慣習です。印鑑は長い歴史を持つ文化であり、古くからの字体を尊重する考え方が根強く残っています。
よくある旧字の例
印鑑でよく見かける旧字には、次のようなものがあります。
-
高 → 髙
-
吉 → (上が短い「土」になる異体字)
-
斉 → 齊
-
浜 → 濱
これらは見た目が少し違うだけですが、印鑑としては別の字として扱われることがあります。特に「﨑」「髙」「濱」などは、旧字か新字かで迷う人が多い漢字です。
実印・銀行印・認印での考え方の違い
すべての印鑑で旧字を使う必要があるわけではありません。
-
実印
戸籍に合わせるのが基本です。戸籍が旧字なら、実印も旧字で作るのが安全です。 -
銀行印
銀行によっては旧字・新字どちらでも問題ありません。ただし、実印と同じ表記にしておくと管理が楽です。 -
認印
日常使いなので、新字でも旧字でも自由です。読みやすさを優先する人も多くいます。
旧字で印鑑を作るときの注意点
旧字の印鑑を作る際には、いくつか注意しておきたいポイントがあります。
まず、役所や金融機関での確認です。特に実印は、市区町村での印鑑登録が必要になります。作成前に戸籍の表記を確認しておくと安心です。
次に、フォントや書体の違いです。旧字は彫刻師や印鑑店によって微妙に形が異なることがあります。手彫りか機械彫りかでも印象が変わるため、事前に見本を確認するのがおすすめです。
最後に、将来的な使いやすさも考えましょう。旧字は他人に説明しづらい場合があります。頻繁に使う印鑑であれば、その点も含めて検討すると後悔が少なくなります。
まとめ
印鑑における旧字は、単なる昔の字体ではありません。戸籍との整合性や偽造防止といった、実用的な意味を持っています。特に実印を作る場合は、旧字か新字かを曖昧にせず、きちんと確認することが大切です。
少し面倒に感じるかもしれませんが、一度きちんと選んでおけば、印鑑は長く使うものです。自分の名前と正しく向き合う機会として、旧字について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
急いで印鑑を作成するなら
弊社では大阪府に実店舗が3店舗!
またNET通販もしております。
実店舗型としては最大クラスの設備がありますので即日受取、即日発送を土日祝で対応可能です。
お急ぎの際には是非ご相談ください。



