印鑑を押す時に「お辞儀させる」って本当?正しい押し方を解説

印鑑を押す時に「お辞儀させる」って本当?正しい押し方を解説

印鑑を押すときに、

「ハンコは少しお辞儀させて押すときれいに押せる」

と聞いたことはありませんか?

印鑑をまっすぐ真下に押すのではなく、少し傾けたり、前後左右に動かしたりする押し方を「お辞儀させる」と表現することがあります。

しかし、本当に印鑑はお辞儀させて押したほうがよいのでしょうか?

今回は、印鑑を押すときの「お辞儀」の意味や、きれいな印影を残すための正しい押し方について詳しく解説します。

「印鑑をお辞儀させる」とは?

「印鑑をお辞儀させる」というのは、印鑑を紙に押し当てた状態で、少し前後左右に傾けながら力を加える押し方を指すことが多いです。

たとえば印鑑を紙に押したあと、

「前に少し傾ける」
「後ろにも少し傾ける」
「左右にも軽く力を加える」

というように、印面全体を紙に密着させようとする動きです。

この動きが、人がお辞儀をしているように見えることから「印鑑をお辞儀させる」と表現されることがあります。

ただし、これは正式な印鑑の作法として「必ずお辞儀させなければならない」という意味ではありません。

あくまで、きれいな印影を残すための押し方を分かりやすく表現した言葉と考えるとよいでしょう。

なぜ「お辞儀させる」ときれいに押せるの?

印鑑を真上から押しただけでは、力の入り方によって印面の一部分が紙に十分接触しないことがあります。

特に、

・印鑑のサイズが大きい
・押す力が弱い
・机が硬い
・紙の下に適度なクッションがない
・朱肉が均等についていない

といった場合には、印影の一部がかすれてしまうことがあります。

そこで、印鑑を紙に押し当てた状態で、ごく軽く前後左右へ力を移動させます。

こうすることで印面全体を紙に接触させやすくなり、外周や文字の細かい部分まできれいに写りやすくなります。

特に法人の代表者印や銀行印など、比較的大きな印鑑では、このような押し方が役立つことがあります。

大きく傾けるのはNG

ここで注意したいのが、「お辞儀させる」といっても、印鑑を大きく傾けるわけではないということです。

印鑑を紙に押した状態で大きくグリグリ動かしてしまうと、印影がずれる原因になります。

文字や枠線が二重になったり、線が太くなったりして、かえって印影が汚くなってしまうことがあります。

イメージとしては「印鑑を動かす」というより、

印面を紙につけたまま、力のかかる位置を少しずつ変える

という感覚です。

印鑑そのものが目に見えて大きく傾くほど動かす必要はありません。

印鑑をきれいに押す基本的な手順

印鑑をきれいに押すには、「お辞儀」だけではなく、朱肉のつけ方や押す場所も重要です。

まず、印面にゴミや朱肉の固まりなどが付着していないか確認します。

次に朱肉をつけます。

このとき、印鑑を朱肉に強く押し込む必要はありません。印面を朱肉の表面に軽く当て、数回トントンとつけるようにすると、朱肉が均等につきやすくなります。

朱肉をつけすぎると文字の細かい部分に朱肉が入り込み、印影が潰れる原因になるため注意しましょう。

朱肉をつけたら、印鑑を押したい位置にまっすぐ立てます。

そして印面を紙につけ、上から適度な力を加えます。

その状態で印鑑をずらさないようにしながら、前後左右へわずかに力を移動させます。

最後は印鑑を横へ滑らせず、真上に持ち上げます。

これだけでも、印影のかすれや欠けをかなり防ぎやすくなります。

捺印マットを使うのがおすすめ

印鑑をきれいに押すために意外と重要なのが、紙の下の状態です。

硬い机の上に書類を直接置いて印鑑を押すと、印面が紙に均等に当たらず、一部がかすれることがあります。

そのため、印鑑を押すときは「捺印マット」を使用するのがおすすめです。

捺印マットには適度な弾力があり、印面を紙へ均等に密着させやすくなります。

捺印マットがない場合は、何枚か紙を重ねるなどして適度なクッションを作る方法もあります。ただし、柔らかすぎる場所で押すと印影が潰れることもあるため注意してください。

「お辞儀」よりも大切なのは印鑑をずらさないこと

きれいに押そうとして、印鑑を何度もグリグリ動かしてしまう方もいます。

しかし、最も注意したいのは「印鑑の位置をずらさないこと」です。

一度紙に接触した印面が横方向に動いてしまうと、印影が二重になったり、文字が太くなったりすることがあります。

そのため、お辞儀させる場合も動きは最小限にします。

「前後左右に動かす」というよりも、

中心を固定したまま、印面の四方へ順番に圧力をかける

と考えると分かりやすいでしょう。

最後に真上へスッと持ち上げれば、輪郭のはっきりした印影になりやすくなります。

かすれる場合は押し方以外もチェック

正しい押し方をしているのに印影がかすれる場合は、印鑑そのものや朱肉に原因がある可能性もあります。

たとえば、印面に古い朱肉やホコリが詰まっていると、きれいに押せません。

また、長期間使用している朱肉は乾燥して、朱肉が印面につきにくくなっていることがあります。

印影がうまく出ないときは、

・印面が汚れていないか
・朱肉が乾燥していないか
・朱肉をつけすぎていないか
・平らな場所で押しているか
・捺印マットを使用しているか

なども確認してみましょう。

特定の部分だけ毎回かすれる場合には、印面の摩耗や欠けなども考えられます。

印鑑の上下にも注意しよう

印鑑を押す際には、印影の向きにも注意が必要です。

印鑑によっては、持ち手部分に「あたり」と呼ばれる目印がついています。

あたりがある印鑑なら、その位置を確認することで上下を判断しやすくなります。

あたりがない印鑑の場合は、押す前に印面を確認したり、印鑑ケースへ収納するときに向きを決めておいたりすると、逆向きに押してしまう失敗を防ぎやすくなります。

特に実印や銀行印、法人印など重要な印鑑を押すときは、位置だけでなく向きも確認してから捺印しましょう。

まとめ

「印鑑を押すときはお辞儀させる」という話は、印鑑を大きく傾けるという意味ではありません。

印面を紙につけた状態で位置をずらさず、前後左右へ軽く圧力を移動させることで、印面全体を紙に密着させるためのコツと考えると分かりやすいでしょう。

ポイントは、

・朱肉を均等につける
・印鑑をまっすぐ紙に当てる
・位置をずらさない
・前後左右へ軽く圧力をかける
・最後は真上に持ち上げる
・できれば捺印マットを使用する

ということです。

「きれいに押そう」と思って印鑑を大きくグリグリ動かしてしまうと、逆に印影が二重になったり潰れたりすることがあります。

「お辞儀させる」というよりも、印鑑の中心を動かさず、印面全体へ均等に力を伝えることを意識してみてください。

少し押し方を工夫するだけでも、印影のかすれや欠けを防ぎ、くっきりとしたきれいな印影を残しやすくなります。

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